(2)空中戦(O2O)から地上戦ミックス型(オムニチャネル)へ
少し前にO2O(オンライン・ツー・オフライン)という言葉が流通業界やIT業界で流行しましたが、
これは、ネット(オンライン)から店舗(オフライン)へ顧客を誘導する施策のことを指します。
WEB広告や自社WEBサイトに店舗で使えるクーポン券を掲出し、消費者はスマートフォンでそのクーポンを取得して、店頭でスタッフに提示すると値引きが受けられるといった仕組みとなります。
前章ではスマートフォンでアプリが使えるようになったことから、Bluetoothを活用したiBeaconや非可聴音端末を使った方法などで店舗への来店を捕捉・カウントする仕組みが実現可能となった話を書きましたが、 CRMの観点からO2O施策で重要となるのは、“誰が、いつ”来店したかを履歴データとしてカウントすることです。
その際に購買金額までカウントしようとすると、スマホ画面に会員証バーコードなどを表示して、POSレジに繋がったバーコードリーダーで読み取るようなしくみが必要となってきます。
ただし、O2Oで購買金額の効果測定まで行っているケースはあまり見受けられないのが現状です。
このようなO2Oと似たような流行として“オムニチャネル”があります。ネットや店舗をあまり意識することなく、あらゆる顧客接点で接客したり販売したり商品を受け取ったりすることができる施策を指します。
このオムニチャネル的な発想に立つと、「アプリを消費者だけではなく、店舗スタッフも持てばもっと便利になるのではないか?」というアイデアが出てきます。
確かに、外食チェーン店等で100店舗クラスになると従業員やアルバイトなども数百名の規模となり、“店舗スタッフアプリ”があっても良さそうな気がします。
そんな発想から、ビートレンドではこのたび、『betrend 店舗スタッフアプリ』をリリースいたしました。
お客様がマイページや会員証アプリの画面に表示されるQRコードやバーコードをスタッフに提示し、スタッフが“店舗スタッフアプリ”のカメラを起動して読み取り、購買金額に応じたポイントを付与することで、ポイント管理を実現することができます。その際に、“店舗スタッフアプリ”に会員の氏名やポイント数が表示されるので、「山田さん、いつもありがとうございます。」といった接客への活用も期待できます。
更に、ハガキDMにも会員番号をQRコードやバーコードとして印刷しておくことで、先程のポイント管理と同様に“店舗スタッフアプリ”で読み取ることで、ハガキDMの効果測定ができるようになるなど、“店舗スタッフアプリ”の今後の可能性は非常に大きいと思われます。
・メールを使わずにスタッフ全員に連絡事項をプッシュ通知
・アプリから、自分の店舗の会員だけにメッセージ配信
・お客様の会員証アプリと同時に振るとポイントが貯まる
・お客様の会員証アプリとじゃんけんゲームでポイントを貯める
などなど、考えれば考えるほどわくわくしてきませんか?
O2Oクーポン施策が空中戦だとするなら、“店舗スタッフアプリ”は地上での接近戦のようなものです。
やはり、空中戦だけでなく、地上戦もミックスさせたオムニチャネルな戦いの方が全体的に有利になるのではないでしょうか。
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