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【連載コラム】
井上英昭のひらめきわくわく、スマートCRM講座

第一章 スマートCRM登場の背景 -1-

井上英昭のひらめきわくわく、スマートCRM講座

(1)そもそもCRMとは何か?

“CRM”は、一般的に

顧客関係管理(こきゃくかんけいかんり、CRM:Customer Relationship Management)とは、顧客満足度を向上させるために、顧客との関係を構築することに力点を置く経営手法のこと

wikipedia日本語版より 引用

と定義されています。

では、その関係性を構築・維持することがなぜ重要なのか考えてみましょう。
それには“顧客”について最初に考えてみる必要があります。みなさんが日々社会生活を営んで暮らしていくために、まず必要なものはなんでしょうか?

そうです。“お金”ですね。“愛”も大切ですが、愛だけでは暮らしてはいけません。その“お金”は誰がくれるのでしょうか?
もちろん、お金は皆さんが一生懸命に働いた対価としてもらえるわけですが、質問は、それは一体誰がくれるのでしょうか?ということです。

会社の経理部門?上司?社長?と突き詰めて考えていくと、そのお金は実は、皆さんの“お客様”すなわち皆さんの“お客様=顧客”が、商品やサービスを買ってくれたからこそ巡ってくる訳です。
ですので、皆さんが暮らして行くお金は必ず“顧客”がくれるというのが正解です。

これは、忘れられがちな事実です。忘れられがちなという表現を使ったのは、皆さんがはじめて行くレストランやショップで、ぞんざいな対応をされたり、店員さんの応対に不愉快な思いをすることも時々あると思います。

そのようなお店の店員さんは自分のお給料は顧客が払うのではなく、店長や社長が払うものだと思っているのかもしれませんね。世の中に成立している全ての会社にとって“最も大切なものは顧客”であるというのは、過去にも未来にも、どんな事業形態においても永久不変の事実だと思います。

消費者を顧客にしている企業であれば、消費者はあなたの会社のことばかり考えてくれている訳ではなく、移り気で、飽きやすく、記憶力も低いことは一般的によく理解されていることです。

ですので企業は、顧客(消費者)の気持ちといつも繋がっておき、必要な時に思い出してもらえるようにするために、日常的にコミュニケーションを図って、より良い関係作りを維持しておくことが重要です。

そこで、考えだされた手法が、“CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)”なのです。
日本語にすると、“顧客関係管理”と抽象的になってしまいますが、英語では、“リレーションシップマネジメント(関係性の管理)”がその本質であり、お客様との関係性を各種ツールを活用して維持・育成・管理していこうというものです。

これまでも、企業はブランドイメージを醸成するためのイベントやポイント付与・クーポン券の配布、ファミリーセールへの案内などの特典を用意し、その企業の会員やファンであるという“関係性”を作り、それを“維持”し、さらに上得意様になっていただく“顧客ロイヤルティ育成”などの努力をしてきました。

その活動を支えるツールは、集会・電話・定期訪問・ダイレクトメール・FAX・電子メール・顧客相談窓口の設置・顧客満足度調査など様々なものがあります。
スマートCRMとは、顧客と企業のより良い関係性を 維持管理・育成する経営手法

(2)なぜ今CRMが新しいのか?

1990年代の後半からインターネットやデータベースなどのIT技術を活用して発展してきたCRMですが、なぜ、今、再び脚光を浴びて来ているのでしょうか?
一番大きな要因としては、消費市場環境の少子高齢化が加速している現状があります。高度成長期のように“作れば売れる”という時代ではなくなり、また、最も大きな購買層である“団塊の世代”に代表される高齢者層のお財布の紐は意外と固いということがあります。

年金も目減りしていく中で、この世代の消費者の商品やサービスに対する選別はますます厳しくなるばかりです。一方で若年層から中高年の消費者生活や価値観は多様化し、他社と同じような商品サービスでは、見向きもされない時代になってきました。徐々に小さくなる消費市場に対して、企業間の競争は激しくなっており、企業は新商品開発や商品の差別化という“攻めの施策”と同時に、既存顧客をいかに囲い込み、ひとりの人に何度も購買していただけるのかという“守りの施策”が勝負どころになります。お客様との関係性を維持していくことが、ますます重要になってきているという訳です。

そのような中で、インターネット、特にgoogleに代表される検索技術のめざましい普及により、顧客が必要な情報を素早く入手できる情報量が圧倒的に増加してきました。
特にスマートフォンの爆発的な普及は、競合商品との性能や価格の比較などが当たり前となる消費購買行動の文化を生み出しました。

企業と消費者の関係は、これまでの企業から消費者への一方的な情報提供の時代から、FacebookやTwitter、LINEなどに代表されるSNS(ソーシャルメディア)を上手に活用して、企業と消費者が“友達のように”会話し、情報をシェアする“共創型のマーケティング”の時代に入ってきました。
さらに、消費者の購買行動は店頭での購入に留まらず、同じ人がネット通販(EC)でも購入するオムニチャネルの時代を迎え、顧客の個人情報を一元管理する必要もでてきました。

ところが、ソーシャルメディアはあくまで“メディア”であるため、店頭のPOSレジやショッピングカートから発生してくる購買データなどの個人情報に紐ついた“顧客情報データベース”を持つことができません。

また、各個人が閲覧したWEBサイトの履歴情報や過去に広告をクリックして閲覧した商品情報などの履歴データを蓄積し、最適な広告出稿プランを推奨(レコメンド)するというDMP(データマネジメントプラットフォーム)を活用した広告施策を実現するためにもデータベース=ビッグデータの管理が必要となってきました。
さらに、これらのビッグデータを分析した上で、ターゲティングした個人に対してメールで必要な情報をタイムリーに配信するメールマーケティングや、顧客が今居る場所をスマートフォンに搭載されたGPSで検知し、最適なクーポン券をプッシュ通知で配信するスマートフォンアプリの会員証などのIT技術は、どんどん進展してきています。

これらにより、ひとりのお客様の生涯の顧客価値(LTV=ライフタイムバリュー)の増大を図ることで、店鋪での売り上げを購入時点の一回の金額を“点”で捉えるのではなく、時間軸の推移により数回購入した合計金額の“線”で捉えたり、さらにビッグデータを分析することで、その商品を購入した顧客の関心がある、他の商品をお勧めして新規購入を促すなど、“面”で売り上げを増やすこともできるようになってきました。

時代はスマートCRMへ

さらには、データ分析用ソフトウェアや人工知能を活用した予測技術の進歩により、将来の需要予想や新商品開発、お客様が次に買いたくなる商品の推奨(レコメンド)など、潜在的な需要を喚起して新規顧客を獲得する“攻め”の施策にもCRMのノウハウが活かされるようになってきました。
このような経緯により、今、CRMは最も新しい販売促進のためのアプローチとして注目を集めています。このことを新しく定義したのが“スマートCRM”と呼ばれる世界観です。
スマートデバイス向けのCRMというだけではなく、“賢い(=スマートな)”CRMというわけです。

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