株式会社 大丸松坂屋百貨店 様

顧客が望む新しいコミュニケーション手段にも柔軟に対応。
変化を恐れない老舗百貨店のデジタルマーケティング施策。

顧客が望む新しいコミュニケーション手段にも柔軟に対応。 変化を恐れない老舗百貨店のデジタルマーケティング施策。

株式会社大丸松坂屋百貨店様は、全国主要都市に19店舗の百貨店を展開している。業界の中でいち早くメールマーケティングやポイントカードを導入するなど、デジタルマーケティングに注力することで成果を上げている企業として知られている。近年も『LINE』を始めとするSNSを活用した施策の実行、またインバウンド対応として中国からのお客様を対象とした『WeChat』での決済の導入など、お客様満足を高める施策を次々と実現している。メール会員の管理基盤として『betrend』を採用いただいている同社に、導入時から現在まで、同社のマーケティング活動がどのように進化してきたのか、お話を伺った。

ポイントカードの導入で
アプローチ可能な顧客数が飛躍的に増加

東京本社でデジタルマーケティングを担当する河村氏は、『betrend』導入前の課題を、このように振り返る。

「大丸、松坂屋ともに発行するクレジットカードの会員基盤はあったのですが、クレジットカードにご入会いただけるようなロイヤリティの高いお客様には限りがあります。そこで売上が捕捉でき、その情報に基づいてメール等でアプローチできるお客様を増やすこと、特に来店頻度が高くないお客様にもアプローチする方法を確立するという課題がありました。」
これらの課題を解決するために2005年頃、全店に導入されたのが『大丸松坂屋ポイントカード(旧名称:大丸Dカード)』である。お買い物の際に利用するとポイントが貯まる、いわゆるポイントカードだが、お客様にとってクレジットカードよりも入会しやすく、発行数は順調に伸びていった。

また、お客様に対するアプローチという観点では、元々ロイヤリティの高いクレジットカード会員は、ダイレクトメールといった限られたアプローチ手段でも一定の売り上げが見込めたのに対し、それ以外のお客様に対しては新聞折込などのマスメディア以外にアプローチする手段が無かった。しかし、このポイントカードへ入会いただくことによって、これからロイヤリティを高めてゆくお客様へのアプローチが可能となったのである。

メルマガ導入で今まで十分に
リーチできなかったお客様へ情報を配信

幅広いお客様へのアプローチを実現した『大丸松坂屋ポイントカード』だが、その会員へのアプローチ手段として、メールによるマーケティング施策に新たに取り組むことになった。この際に同社が採用したプラットフォームが『betrend』だった。

「現金ポイントカードを導入する際に、会員へのアプローチツールとしてメルマガの登録と配信は必須でした。非常に限られた時間で、登録画面から弊社顧客データベース連携まで実現してくれたのがビートレンドでした。また、当時は世間で企業の情報漏えいが大きく話題になっていました。弊社でもサービス開始にあたってセキュリティを確保することが重要な課題でした。そのため豊富な実績があり、信頼できるビートレンドに依頼する事にしました。」(河村氏)

また、自社の基幹システム内に存在しているID顧客データベースとの連携が可能で、購買履歴とメールに関連する情報(開封数・クリック数など)を組み合わせて分析が可能だったことも大きな決定要因となったようだ。

『レシートdeチャンス』と『ポイントdeバック』

当時、クレジットカード会員へは元々手応えのあったダイレクトメールで、ポイントカード会員には携帯メールで、と手段を使い分けていたという。
その後、クレジットカード会員もメール登録による配信を開始し、さらに2010年には、各種カードが無くても登録できる『モバメート』と呼ばれるメール会員の募集を開始。同時に週刊メルマガの配信を開始した。従来の、カードをきっかけに登録されていたロイヤリティの高いお客様だけなく、今まで接点の無かった新しいお客様へ、まずはメールをきっかけに百貨店に親近感を持っていただき、ご来店いただく流れへと変えていった。

全てのお客様を対象としてメール会員を集めるためには、様々な工夫が必要となる。一般的なQRコードや空メールに加えて、指定した電話番号に電話をすることで登録用URLがSMSで届く『テレコールSMS』なども採用し、携帯電話やスマホの扱いに慣れたお客様だけでなく、百貨店の主要なお客様である高齢層など、メルマガへの登録に不慣れなお客様でも簡単に登録できる仕組みを提供している。

また、継続してメルマガを楽しんでいただくためには、コンテンツも重要だ。同社では、全店共通の旬な情報のほか、週刊星占いや、抽選で商品券が当たる『ラキナン4』、月一でグルメ商品が当たる『メルマガdeグルメ』など、来店頻度が高くないお客様でも楽しめる人気コンテンツを提供している。また、店舗でのお買い物の際にお渡しするレシートに印字された通し番号で、商品券が当たる『レシートdeチャンス』といった、メルマガ会員の来店にダイレクトに繋がる企画も好評を得ている。

公式キャラクターを活用した
SNSブランディングの成功事例

同社にとって、メールマーケティング導入に続いて大きな転機となったのがSNSだ。『Facebook』や『Twitter』など、様々なSNSを使いこなしている同社だが、『LINE』の公式アカウントについても、同社は比較的早い段階で導入を決断した。

「かつてはテレビCM、折込広告だけでも十分に集客できる時代がありました。急速なデジタルメディアの発達により、メール、そしてSNSとコミュニケーション手段の多様化が一気に進みました。我々としてはお客様に最適なコミュニケーション手段を提供できるよう、努めたいと思います。とくにSNSでは、商品情報よりも、まず大丸松坂屋に親しみをもっていただけるよう心がけています。」(河村氏)

そこで同社は、松坂屋上野店発のキャラクターとして活躍していた『さくらパンダ』を、アイキャッチに、新しい客層を取り込む施策を打ったのである。直接的に販促することは控えつつ、まずはキャラクターを知ってもらい、好きになってもらう事に重点を置いた。『LINE』の公式アカウントでは、『さくらパンダ』のスタンプを配信することで、若い世代への認知向上を図ることができた。「『LINE』でアンケートを行ったところ、回答者の6割はメルマガにも登録いただいています。『LINE』のお友だちには、近くに店舗がない方も多数いらっしゃるので、『LINE』では、EC向けの情報、メールは店舗への来店につながるような情報発信を心がけたいと考えています。」(河村氏)

そのほか、中国で広く利用されているメッセージングアプリである『WeChat』の決済機能を早くから導入し、急激に増加している中国からのお客様の獲得に成功するなど、SNSを活用したマーケティング活動で成功を収めている。

クリック行動によるターゲティングメールで、
購買行動分析では困難だった情報配信にチャレンジ

様々な方法で情報を配信していくなかで、新たなお客様のニーズの掘り起こしと、それに対する施策の効果を検証するには、メルマガが適していると河村氏は言う。

「クレジットカード会員やポイントカード会員の場合、購買履歴からお客様を分類し、ダイレクトメールなどの施策内容を区別していました。ただ、購買履歴からはわからないニーズというのも存在します。例えば、ランドセルと言った商材は過去の購買履歴からニーズを把握することが難しい。このような商材は、メルマガに情報を掲載し、お客様のクリック行動を分析することで、購入が見込まれるお客様に的を絞ったアプローチを試みています。」(河村氏)

『betrend』で管理するメール会員データベースは、メールアドレスとクリック履歴が紐づいている。この利点を活かし、“メルマガの特定のコンテンツをクリックした=その商品に興味のある人”と仮定し、その商品のより詳しい特集記事を号外で配信(ターゲティングメール)し、実際に購買に繋がったのか、効果検証する施策を行っているのだ。

ターゲティングメールの精度を上げて
更なるお客様満足を目指す

「今最も注目しているのは、最適化されたコンテンツをそれぞれのお客様に如何に届けるか。その意味で、“ターゲティングメール”はさらに精度を高める価値があると考えています。
SNSにはお客様が望む情報を、お客様自身が気軽に取捨選択し、自由にタイムラインを構成できる良さがあります。将来的には、この“選択の自由がある良さ”を実現するような仕組みを提供したいと考えています。

また、メルマガの会員数が増えても、必ずしもコンテンツのクリック数が比例して増加するわけではありません。お住まいの近くに店舗があるお客様だけではありませんので、来店頻度が高くなくても継続してメルマガを読んでもらえる工夫やコンテンツの充実が、引き続き必要だと思います。」
河村氏は最後にこう締めくくった。
「メールでの情報提供を開始してから現在、80万人超とつながっています。様々な試行錯誤の末、結果的に非常にロイヤリティが高いお客様との繋がりを実感しています。弊社では様々な手法でのアプローチを実施していますが、メールは現在も効果的なオウンドメディアと位置付けています。今後は、スマートフォンアプリを活用した情報配信など、お客様に最適なアプローチを検討していきたいと思います。」
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株式会社 大丸松坂屋百貨店

2007年、株式会社大丸と株式会社松坂屋ホールディングスが共同持株会社J.フロントリテイリング株式会社を設立し、経営を統合。グループの事業運営方針に“最大のお客様ご満足を最小のコストで提供する高質経営の実現/高質・新鮮・ホスピタリティの徹底追求”を掲げ、常に時代の変化に即応した高質な商品・サービスの提供や、お客様の期待を超えるご満足の実現を
目指す。

ウェブサイト: 

http://www.daimaru-matsuzakaya.com/

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