スマホアプリで店舗毎の顧客動向を把握。
分析結果を次の企画へ活かす好循環を実現
全国にとんこつラーメン店を展開する株式会社一蘭は、『天然とんこつラーメン専門店』というブランドを確立して、多くのファンやリピーターを持つ企業だ。その味もさることながら、女性でも気軽に利用できる『味集中カウンター』、顧客一人一人が味の濃さや麺の硬さなど、自分にあった一杯を注文できる『オーダーシステム』といった、他のラーメン店には無い取り組みを次々と実現するユニークな企業風土でも知られる。同社は2016年7月に『betrend』を活用した『一蘭公式アプリ』をリリースし、顧客へ来店する楽しさを提供するプロモーションにより一層力を入れている。今回は同社の広報担当である野﨑氏に、様々な取り組みについて伺った。
『天然とんこつラーメン専門店』としてこだわりの一杯で全国展開、
さらに海外へ
昭和35年に創業した同社は、現在までに国内62店舗、また香港を始めとする海外にも3店舗を展開しており、今後も年間10店舗以上の出店目標を掲げて急成長している。(2017年1月時点)
「弊社はとんこつラーメン一本で勝負しています。1つのお店で、しょうゆや味噌など複数のラーメンを提供する企業様も多いかと思います。しかし、弊社は“とんこつラーメンを世界一研究している会社”として、最高においしい一杯を追究し続けています。」そう語るのは同社広報担当の野﨑氏だ。
昭和35年に創業した同社は、現在までに国内62店舗、また香港を始めとする海外にも3店舗を展開しており、今後も年間10店舗以上の出店目標を掲げて急成長している。(2017年1月時点)
「弊社はとんこつラーメン一本で勝負しています。1つのお店で、しょうゆや味噌など複数のラーメンを提供する企業様も多いかと思います。しかし、弊社は“とんこつラーメンを世界一研究している会社”として、最高においしい一杯を追究し続けています。」そう語るのは同社広報担当の野﨑氏だ。
高い出店目標を掲げながらもフランチャイズ展開は行わず、全て自社の直営で出店している事からも、自社の味を守り、とんこつラーメンにこだわる同社の熱い想いが伝わってくる。
「“従業員の心を大切にし、幸福度を高めます”という企業理念の一文にもある通り、社員やアルバイトに関係なく、全ての従業員を大切にし、素晴らしい人材を世に輩出していきたいという弊社代表の想いを大切にしています。お客様に満足していただくために、まずは自分達から、ということですね。」
「“従業員の心を大切にし、幸福度を高めます”という企業理念の一文にもある通り、社員やアルバイトに関係なく、全ての従業員を大切にし、素晴らしい人材を世に輩出していきたいという弊社代表の想いを大切にしています。お客様に満足していただくために、まずは自分達から、ということですね。」
『味集中カウンター』を始めとするユニークなアイデアを
次々と実現する企業風土
一蘭が他のラーメン店と大きく違うのは、その味だけでなく『味集中カウンター』と呼ばれる独特な客席だ。カウンター席は全て仕切りで区切られており、客同士お互いが見えない作りになっている。
「『味集中カウンター』に関しては20年以上前から導入しています。弊社代表が様々なお客様の様子を観察するなかで、特に女性の方がラーメン店に入りづらい、食べている姿を見られるのが恥ずかしいと言った気持ちを持っている事に気付きました。なんとか女性でも入りやすいラーメン店を作れないか、周りの目を気にせず、ラーメンに集中して食べていただける方法は無いかという想いで考案したのが『味集中カウンター』です。実は特許も取得しているんですよ。」
「『味集中カウンター』に関しては20年以上前から導入しています。弊社代表が様々なお客様の様子を観察するなかで、特に女性の方がラーメン店に入りづらい、食べている姿を見られるのが恥ずかしいと言った気持ちを持っている事に気付きました。なんとか女性でも入りやすいラーメン店を作れないか、周りの目を気にせず、ラーメンに集中して食べていただける方法は無いかという想いで考案したのが『味集中カウンター』です。実は特許も取得しているんですよ。」
『味集中カウンター』は最早それ自体が一蘭の名物となっており、客席で写真を撮る利用客も多く、特に海外からの観光客にとってはユニークなラーメン店の風景という事で人気を博している。また、同社は『味集中カウンター』の他にも、顧客一人一人が自分の好みに合った注文が出来る『オーダーシステム』や、替玉を注文するとチャルメラが鳴る仕組みなど、他のラーメン店には無い仕掛けで顧客を楽しませている。
『betrend』で多機能なスマホアプリを実現、顧客への新たな価値を提供
そんな同社は、2016年に『betrend スマートフォンアプリ』を使い『一蘭公式アプリ』をリリースし、更なる顧客満足度の向上を目的とした取り組みをスタートさせている。
「ガラケーが主流だった時代から、『おサイフケータイ』を利用した来店ポイントサービスを運営していました。ポイントサービスをさらに活性化するためのアプリ導入プロジェクトを立ち上げ、検討した結果、多くのお客様がスマホを持っている時代ですから、スマホアプリによる仕組みが良いのでは、という結論に至りました。」(野﨑氏)
スマートフォンアプリの開発に向けて、様々なベンダーを検討する中で『betrend』に辿り着いたという。採用いただいた決め手について伺うと、「『betrend』の導入を決めたのは、我々のやりたい事に合ったパッケージがあり、さらに導入コストも他社に比べて安価である点が大きな決め手でした。また、基本のパッケージがありながらも、様々なカスタマイズができるところも魅力のひとつだと思います。」とサービスの柔軟性に着目していただいた。
「ガラケーが主流だった時代から、『おサイフケータイ』を利用した来店ポイントサービスを運営していました。ポイントサービスをさらに活性化するためのアプリ導入プロジェクトを立ち上げ、検討した結果、多くのお客様がスマホを持っている時代ですから、スマホアプリによる仕組みが良いのでは、という結論に至りました。」(野﨑氏)
スマートフォンアプリの開発に向けて、様々なベンダーを検討する中で『betrend』に辿り着いたという。採用いただいた決め手について伺うと、「『betrend』の導入を決めたのは、我々のやりたい事に合ったパッケージがあり、さらに導入コストも他社に比べて安価である点が大きな決め手でした。また、基本のパッケージがありながらも、様々なカスタマイズができるところも魅力のひとつだと思います。」とサービスの柔軟性に着目していただいた。
『一蘭公式アプリ』の来店ポイント機能では、音波を発する端末を活用している。各店舗に置かれた端末から発せられる音波をスマートフォンのマイクが検知して、ポイントが貯まる仕組みになっている。スマートフォンが主流の時代に合った新しい来店検知機能だ。さらに、貯まったポイント数に応じてトッピングと交換できる引換券や、一蘭のラーメンを知人にプレゼントできるWebギフト券など、一蘭のファンなら継続して利用したくなる機能が豊富に搭載されている。
以前のポイントサービスでは約9万人もの会員が利用されていたため、スマートフォンアプリへの移行にあたっては、3ヶ月の移行期間を設けて顧客への周知と切り替えを行ったそうだ。切り替え当初は操作や利用方法に戸惑う顧客も多かったものの、3ヶ月間でほとんど問題のないレベルまで浸透したという。「アプリをリリースして約6ヶ月経過しましたが、7万人を超えるお客様にダウンロードしていただき、予想よりも早いペースで会員様が増えています。」
「『betrend』を導入したことで、店舗検索やアンケート機能が搭載され、より便利なツールになったと感じています。また、弊社の場合、“替玉無料”などの無料クーポンは発行しない方針なので、無料という一般的な特典がなくても、お客様が使ってくださるサービスを考えていく事が重要だと考えています。」
アプリの利用履歴から店舗毎の顧客動向を把握し、リピーターを拡大
また野﨑氏は、スマートフォンアプリの利用履歴から店舗毎の顧客動向を把握できるようになった点も大きいと語る。
「『betrend』のメリットとして、アプリの利用履歴の分析に関して円滑に必要な集計データが出せるという点があります。従来の仕組みだと、基本的な店舗毎の集計も出来ませんでした。」
『一蘭公式アプリ』では店舗ごとの利用履歴を収集するために、各店舗で引換券を使用する際にお客様が4桁の店舗コードを入力する方法をとっている。
「『betrend』のメリットとして、アプリの利用履歴の分析に関して円滑に必要な集計データが出せるという点があります。従来の仕組みだと、基本的な店舗毎の集計も出来ませんでした。」
『一蘭公式アプリ』では店舗ごとの利用履歴を収集するために、各店舗で引換券を使用する際にお客様が4桁の店舗コードを入力する方法をとっている。
お客様の手間にもなるため、導入の際には同社内でも意見がわかれたという。しかし、今後の顧客動向の分析やプロモーション立案には必要なものだと言う結論に至り、店舗コード入力を採用した。「思い切った決断ではありましたが、結果的に良かったと思います。弊社の場合、全国で約5000名以上の店舗スタッフがおり、全員がアプリの操作を覚える必要があります。『betrend』で操作のわかりやすいアプリが出来た事は、お客様へはもちろんですが、案内するスタッフにとっても大変助かりました。店舗毎にお客様の動向を把握できるようになったので、非常に役に立っています。」
実際、今後のプロモーションを考えるにあたり、お客様の動向を見てみるとこんな発見があったという。「データ分析していると、中には30日間に29回来店されているお客様もいらっしゃいました。頻繁に来店いただくお客様にメリットがあるサービスの導入も検討しています。従来のポイントサービスでは、一時期来店回数に応じてゴールド会員様、プラチナ会員様などお客様がランク付けされる取り組みを行っていました。『一蘭公式アプリ』でも今後の展開として、このようなランキング形式の取り組みを復活させて常連の方に楽しんでいただける企画を検討しています。」
唯一無二の『天然とんこつラーメン』で世界の市場を狙う
同社は海外への出店にも積極的に取り組んでいるが、妥協は一切しないと野﨑氏は語る。
「2017年には台湾に新店舗をオープンする予定です。特にアジア圏の各国からは出店のご要望を本当に多くいただいています。そのお声に応えられるよう、色々な準備を進めています。ただ、海外への出店だからといって、味やサービスが全く違うようなお店は出店しません。質にこだわった海外出店を実現するにはやはり時間が必要です。
基本的に海外出店する際は必ず現地に工場も作り、日本と同じ味が再現できるまで、試作を繰り返します。世界中どこでも、日本と同じ一蘭の味を楽しんでいただきたい、そのためには必要な手間を惜しみません。」
「2017年には台湾に新店舗をオープンする予定です。特にアジア圏の各国からは出店のご要望を本当に多くいただいています。そのお声に応えられるよう、色々な準備を進めています。ただ、海外への出店だからといって、味やサービスが全く違うようなお店は出店しません。質にこだわった海外出店を実現するにはやはり時間が必要です。
基本的に海外出店する際は必ず現地に工場も作り、日本と同じ味が再現できるまで、試作を繰り返します。世界中どこでも、日本と同じ一蘭の味を楽しんでいただきたい、そのためには必要な手間を惜しみません。」
国内、海外共に自社の直営出店にこだわり、その味を守り続ける姿勢には頭が下がる思いだ。近い将来、世界各地で『一蘭公式アプリ』が利用されるようになるかもしれない。
株式会社一蘭
1960年、福岡県福岡市で創業。現代表の吉冨氏のもと、『天然とんこつラーメン専門店』として成長。『大将のいない店』『味集中カウンター』『オーダーシステム』などユニークな店作りで話題を呼び、2016年時点で国内・海外合わせて65店舗を展開している。
URL : http://www.ichiran.co.jp/
*文中の商品名、社名等は、各社の商標または登録商標です。
*記事の内容は、2016年12月取材時のものです。