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IT&マーケティング最新事情

アプリ・SNSサービスの入り乱れた戦い

アプリ・SNSサービスの入り乱れた戦い

2015年04月30日

ビートレンド株式会社
取締役 永山 隆昭

先月(2015年3月)、アメリカで爆発的な話題を集めたアプリがあります。パートナーから競合相手に徐々に変貌していくTwitterや、久方ぶりに神輿にかつげそうなアプリの登場に沸くSxSW(SouthbySouthwest)といった登場人物と舞台が揃っていたため、米国のメディアやブログにはこのアプリについて呆れるほどに大量の記事が連日のように掲載されていました。

そのアプリの名前はMeerkat。iPhoneからライブビデオ配信ができます。
http://meerkatapp.co/

3月初めに登場するや否やものすごい勢いでダウンロード数が伸びていったのですが、その理由はTwitterを積極的に利用している所にありました。

まずMeerkatへのログインはTwitterのユーザIDで行います。ユーザがライブビデオ配信をスタートすると自動的にツイートが投稿され、Twitterのタイムラインからもそのビデオを見ることができます。またアプリでビデオを見ている時にコメントすると、それがTwitter上でも返信として自動的に投稿されます。

さらにTwitterのソーシャルグラフがそっくりコピーされてきてMeerkatアプリの中でもフォロー・フォロワーの関係が維持されており、フォロー先がライブビデオ配信をスタートするとフォロワーのアプリにその通知がプッシュされます。Meerkatではライブビデオは保存されず”生”でしか閲覧することしかできないため、このプッシュ通知はとても重要な機能となっています。

順調なスタートを切ったMeerkatでしたが、雲行きが怪しくなり始めたのが3月13日のこと、TwitterがPeriscopeというやはりライブビデオ配信のアプリを1月に買収していたことを発表したのです。

同時にMeerkatは競合関係にあるとして、ソーシャルグラフへのアクセスを禁止する措置に出ました。この日はちょうどSxSWの始まる日でした。

今年はPerfumeのパフォーマンスでも評判になったこの大規模イベントは、過去にはTwitterやFoursquareをメインストリームに押し上げるのに重要な役割を果たしました。

今年の目玉はMeerkatだと言われていただけに、自社サービスのPeriscopeの正式ロールアウトを控えてTwitterとしては、ライバルの快進撃をなんとか止めたいという意図は明白でした。

Twitterのソーシャルグラフへのアクセスが絶たれたMeerkatは、4日後の3月17日にアプリにユーザ検索機能を付け加えました。さらに21日には約15億円弱の増資が報道され、その後のニュースによると大手のVCやハリウッド系の有名人が出資者として名を連ねているようです。26日には今度はTwitterがこれまでクローズベータの状態であったPeriscopeを正式に公開し、いよいよ決戦の火蓋が切られました。

先行したMeerkatに対して、Periscopeは洗練されたユーザインタフェースやビデオが24時間保存可能なことをセールスポイントとしています。さらにはMeerkatを利用している著名ユーザーに対しては、Twitterの経営陣が直接コンタクトしPeriscopeへの移行をプッシュするという活動も行われていると報道されています。

4月初旬の段階でTwitterに投稿されているライブビデオの数は、ほとんど拮抗しておりPeriscopeの方がほんの少しだけ上というところで安定しているようです。

MeerkatとPeriscope(というかTwitter)との戦いはまだ始まったばかりで、その勝敗の行方はまだ全く分かりません。ただ今回の一連の騒動に関して米国のメディアやブロガーの意見が一致しているのは、サービス終了に追い込まれたJustin.tvや企業向け分野にシフトしたUstreamといった過去の失敗例を克服して、いよいよ個人のライブビデオ配信マーケットが本格的に立ち上がりそうだということです。

スマートフォンや高速なLTE回線の普及やTwitterのような告知手段の登場といったことがその背景にはあります。MeerkatとPeriscope以外にも、若年層向けのライブビデオ配信アプリとしてはすでにYouNowが米国で一定のマインドシェアを獲得しており、日本でも同様のポジションにあるサービスとしてツイキャスが挙げられます。

UstreamもMeerkatと同様のサービスが構築できるという謳い文句で新たなSDKとAPIの公開を始め、再度コンシューマー市場に色気を見せています。これら新旧のアプリ・サービスが入り乱れた戦いがしばらく続きそうです。

そして今後一年も経たない内に、その戦場は日本にまで広がってくることは間違いないでしょう。

※文中の商品名、社名等は、各社の商標または登録商標です。


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