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生活者目線の携帯サイトから、地球を考える。

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(財)WWF(世界自然保護基金)ジャパン

非営利団体携帯サイトの“生きたコンセプト”

告知? 販促? あるいは? 携帯サイトのコンセプト(目標設定)は、企業の数だけ存在する。世界最大の自然環境保護NGO(非政府組織)の日本拠点であるWWFジャパンは、携帯の可能性を信じて、生活者の立場から環境について考える携帯サイト「WWFジャパンモバイル」を立ち上げた。空論ではなく、実行レベルにまで行き渡った、“生きたコンセプト”が特徴的だ。一般企業にも応用できるWWFジャパンのコンセプトワークは、どのように行われたのか?


「共感が生まれるサイト」が、生まれるまで。

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企画調整室 IT担当
業務室 広報グループウェブ担当
羽鳥 信行氏

環境問題について考えたことのない人はいないだろう。しかし……「一晩寝れば、あるいは恋人と食事すれば、すっかり頭の片隅に追いやられますよね」と、笑うのは、WWFジャパン企画調整室の羽鳥信行氏。これが、環境問題に対する一般的な距離感だと言う。もっと環境問題を身近に感じてほしい。だからこそ、「女性が肌身離さない携帯」に着目した。イベントなど限定された場所とは異なり、また、その前に移動しなければならないパソコンとも違い、携帯なら、寝る前も食事どきも、思いついたそのときに情報に辿りつける。機動性、速報性など、携帯の「面白さ」に注目していた羽鳥氏は、2008年5月に東京ビックサイトで開催されたWEB2.0マーケティングフェアでbetrendと出会い、同年9月には、早々に「WWFジャパンモバイル」を立ち上げた。

大前提に立ち戻ると、このサイトの命題は、WWFジャパンの活動を理解してもらったうえで、支援協力を仰ぐことにある。また、環境問題を深く掘り下げ、専門性に特化したWEBサイトとの情報の差別化も考えなければならなかった。そこで浮かび上がってきたのが、冒頭にあげた、「普通の生活者」。環境問題への下地はあるが気持ちが変わりやすく、一方、携帯との親和性が高い20-30代女性である。携帯の特性と集客したい層を、データだけに頼らず体感から分析しているところが、新しい。結果、誕生したコンセプトが、「生活者目線で環境を考える、共感が生まれるサイト」である。


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読み手を意識した志の高いコンテンツ

mobile.jpg「共感が生まれるサイト」という言葉が上滑りすることなく、サイトの隅々に行き届いているのが、「WWFジャパンモバイル」の素晴らしさ。

まず、ターゲットが違うのだから、WEBサイトと同じ内容は乗せないと決めた。素材を流用しながらも、WEBとは違う携帯用のオリジナルコンテンツをこつこつと作っていった。トップ画像は、WWFのシンボルキャラクターでもあるパンダを使ったFlashアニメ。愛くるしいパンダを通して、四コマ漫画のようなストーリーのなかでメッセージがつづられる。また、毎月更新される、野生動物の写真カレンダーや野生動物の鳴き声着信音など、携帯ならではの特典も用意されている。

特筆すべきは、コンテンツの文章である。携帯の特性を熟慮し、試行錯誤の末に出来上がった。WEBサイトと同じ要領で書いていたら、かなりの長文になったことに気づいた羽鳥氏は、まず、携帯の画面と同じサイズに台紙を切りぬき、携帯のなかでテキストがどう見えるのか、シュミレーションをしたのである。すると、ひとつのルールが見えた。短くないと伝わらない。

とくに、伝えるべきテーマは環境問題。どれだけ学術的に新しくても、どれだけ詳細であっても、伝わらなければ意味がないのだ。「はじめての方へ」というコンテンツをクリックすると、「ちょっとした空き時間に、生きている地球のために考えてみよう」といったメッセージを目にする。読み手のシチュエーションさえ意識したテキストなのである。


バーチャルメディアを通して、リアルな交流を

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「京都議定書の発効」にあわせて、銀座ソニービルで行われた温DOWN化計画キャンペーン。温暖化で困っている代表として5頭のホッキョクグマが登場し、温暖化による野生動物への深刻な影響を伝える。たくさんの道行く人が足を止めた。

コンセプトを机上のままにせず、一歩一歩、確実にかたちにするこのサイトは、携帯サイト運営における普遍的なヒントに満ちている。発想を企画としてまとめ、それを実現させる。この一連の流れが、コンセプトという背骨から決してぶれることがない。このあたりに、秘訣が潜んでいるようだ。

これからの「WWFジャパンモバイル」は、より生活者の目線にたったコンテンツを盛り込んでいこうとしている。たとえば、betrendの写メろぐを利用して、現地で実際に環境保護の活動をしている人々の生の声を、臨場感たっぷりに伝えるブログ。

そんなアイデアもある。

環境保護の活動は、決して派手ではない。しかも相手は自然だ。何が起こるかわからない。ただ、そういった地道な活動を少しでも肉薄して伝えることができれば、もしかしたら地球は変わる。そんな思いがあるからだ。「携帯はバーチャルなメディアですけど、バーチャルの先で待っているのは、自分と同じ人間なんですよね」(羽鳥氏)

協力して、動いて、変える。人びとと対話して、その輪を世界じゅうに広げることで、問題をひとつずつ解決していく。そんなWWFの理念に基づいたコミュニケーションツールとして、携帯サイト「WWFジャパンモバイル」は存在する。

成功のポイント

  1. マーケティングデータだけでなく、生活スタイルからも想像することで、コンセプトが浮かび上がる。
  2. 携帯の特性を考えたコンテンツの制作が必要。テキストは、短く!
  3. 臨場感あふれるコンテンツを作りたければ、betrendの写メろぐが便利。

(財)WWF(世界自然保護基金)ジャパン

(財)WWF(世界自然保護基金)ジャパン
  • 世界最大の自然環境保護団体NGO(非政府組織)の日本拠点。絶滅寸前の野生動物保護を目的とした国際組織として、1961年にスイスで設立。それに遅れること10年、日本拠点は1971年に発足し、現在では野生動物の保護をはじめとして、森林保護、地球温暖化対策など、地球全体の環境問題について専門的な情報を収集し、対話を旨としながら、マスメディアや行政などへの働きかけを行う。同組織の総収入のうち、およそ半分が個人による寄付で占められており、同団体が運営するエコグッズの通信販売PANDA SHOPでは、その収益の100%が自然保護活動にあてられる。

    ウェブサイト
    http://www.wwf.or.jp/
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